主な用語

イデア教

世界最大派閥の宗教。総本山はヴィエラス首長国。
唯一神の手により人には魔力が授けられた。故に魔力を使うことは神の威光を知ると同時に感謝を捧げる行為である、という教え。
その教えからわかるように魔法至上主義であるため、魔力を一切使用しない蒸気機関など機械の台頭には嫌悪している。

三国戦争

ミドガリア王国、サレンダント帝国、ダングラード連合国間で起きた戦争のこと。
サレンダント帝国がダングラード連合国とぶつかったのを契機に以後十五年間繰り広げられ、十年前に停戦した。
以降はこの三国と、土地的に三国の間に位置するレインファリア共和国を追加した四国で同盟、このことを『サミダレ合意』という。
しかしいまでも一部の派閥や民族などが国境線で小競り合いをしており、完全に終結したとは言い切れない。

純魔法

いまは失われつつある力。何の媒体も使用せずに魔力から魔法へ昇華することを指す。
純魔法を扱える者を『魔法使い』と呼び、特に女性のことを『魔女』と呼ぶことが多い。
しかし『魔法使い』はもはや絶滅した、とも言われているほどにその存在は激減してきている。

蒸気機関

魔導機関に変わるエネルギー機関として最近台頭してきたエンジン。
魔力を利用したエンジンは確かに強力だが、出力が各々個人が保有する魔力量に比例するため安定したエネルギーが得られないうえに、
『世界魔力低下現象』という問題も引き起こしている。それらを克服するために開発されたのが、魔力を使用しない蒸気機関である。
魔導機ほどの爆発的瞬間エネルギーこそ出せないが、安定して長い間持続可能のうえ、魔導機以上の耐久性を持つ。
最近では主に乗り物など長期に渡って扱う機械に搭載されてきているが、やはり武器としてはまだまだマイナー。
また、イデア教を主とした魔法主義の組織や団体からは嫌悪されている。

魔導機(魔導機関)

魔力を利用してエネルギーを得る機械及び機関(エンジン)。
事前に魔法式の構築が内蔵されており、魔力を流すだけで刻まれている魔法を発動することが出来る。
特に昨今は魔力を何の媒介もなしに使用する純魔法は廃れてしまっているため、魔力を利用するためにはむしろ魔導機がないと
ほぼ不可能だったりする。
魔導機の登場により元来魔法を扱えなかった人間でさえ魔法を扱えるようになり、世界は一気に発展を遂げた。
しかし街の機能などにも魔導機を導入し、その魔力を人ではなく大地から吸収しているためか、昨今は『世界魔力低下現象』という
環境問題が取り立たされている。

ライナーレベル

法外独立機関『ライナー』によって独自に調査、分類され『0』から『13』に分けられた個人の力量のこと。
通称としてLLと略されることが多い。
『ライナー』という機関がいつ出来たのか、LLというものが世に浸透したのはいつなのか、歴史書を紐解いてもわからない程。
しかし生まれた頃からある物差しであり、その精度も確かなため、誰も疑問に思うことなく軍やギルドなどでも基準にされている。
なお、最高位のLL13は世界で二十数名しかいない。



国家

レインファリア共和国

南を海に面し、北、東、西を強国に囲まれた国。
十年前までは周囲の三国(東のミドガリア王国、北のダングラード連合国、西のサレンダント帝国)が争いを繰り広げていたがために
間に挟まるレインファリアも多大な被害を受けたが、三国が停戦・同盟を果たしたことでレインファリアもこれに参加、ひとまずの平和を得る。
無論、そのため同盟内でも最も発言権の低いレインファリアだが、もちろんそれで良しとすることはなく、
現在は技術力にも人材力にも力をいれ、国家元首の努力の成果もあり着実に国としてのランクは上がってきている。
技術的には中の上。レインファリア共和国の中には先進技術である蒸気機関を最大限利用した試験的な蒸気都市も存在する。
軍部の能力は高くないが、ギルドの設立・移転を推奨しているため国内に乱立するギルドがレインファリアの人材力に繋がっている。
主な都市は中央都市ファリアース、蒸気都市ヴィルヘイマ、交易都市ビノインなど。
アインたち赤組のギルド『デルタファイア』がある国であり、赤の章の舞台。また、主人公たちが初めて遭遇する国でもある。

ミドガリア王国

レインファリアから見て東に位置する三大国家の一つ。世界最高峰の技術大国。
技術先進国であり、魔導機関にしても蒸気機関にしてもそのレベルは他国の一つ二つ上を行く。
対国間魔導砲(核ミサイルのような超火力牽制)や、蒸気式大型甲冑(甲冑型のロボットのようなもの)といった技術力を有している。
技術国ではあるものの古き良き伝統というものをないがしろにしてはおらず、王都はルネサンス建築のそれに近い。
主な都市は王都ヘイルメント、首都ティノッペンなど。
銀組アクセルはこの国の第三王女であり、青組リディアはここの元近衛騎士団長、また黒の章の舞台となるなど多くの者が関わっている。

サレンダント帝国

レインファリアから見て西に位置する三大国家の一つ。世界で最も広大な領土、最大の人口を持つ巨大帝国。
隣国を次々と攻め落とし領土を広げてきた戦争国家であり、三国戦争の火付け役でもあった。
が、ミドガリアもダングラードも落とすには相当の被害が出るとわかるや、すぐさま停戦・同盟に方針を変えるなど政略は柔軟。
同盟後も別の隣接国を攻めていたが、昨今はその動きも縮小しつつある。というのも、アルドラ帝王の戦好きは相変わらずだが、
その子であるジェイク王子とジュリア王女が揃って平和主義者であるため、アルドラが抑えられているからだ、と言われている。
そのため昔から帝国に仕える軍人や一部の幹部は現状の帝国の在り方を良しと思っていない者もいるようだ。
とはいえその戦力は健在であり、世界最大級の兵力を持つ帝国の力はいまなお隣接国に恐怖を抱かせる。
銀組が過去に根を下ろした国であり、銀の章での舞台ともなる。

ダングラード連合国

レインファリアから見て北に位置する三大国家の一つ。
兵力ではサレンダントに、技術力ではミドガリアに劣るが、優秀な人員を多数保有する人材力を持つ。
近隣国では最もLL10以上の人間が多く、その実力たるや兵力十倍以上のサレンダントと互角に渡り合うほど。
風土は、元々小さな国々が集まって出来た連合国であるため、ダングラードと一言で言っても土地によってバラバラである。
国教はイデア教。むしろ小国が束なって連合となることをスムーズにしたのは宗教的な繋がりが大きいという背景もある。
イデア教は魔法至上主義であるため、魔力を使わない蒸気機関に否定的な考えを持つ者が多く、事実国内ではほぼ使われていない。
青の章の舞台となる。

ヴィエラス首長国

ダングラード連合国の西、サレンダント帝国の北に位置する国家。
貧富の差が激しい格差社会で、首都こそ煌びやかだが、少し視線をずらせばスラムと呼ばれる人の墓場が存在する。
スラムには人権などといったものはなく、生きていくためには他者を殺すしかないというまさに地獄が広がっている。
しかし、スラムで生まれ、かつある程度の年齢まで生き抜いた者はその実力からそのまま闇世界で台頭することが多い。
黒組クロノとマリア、銀組プラチナ、青組フェミアはここの生まれであり、クロノとプラチナはスラム出身。
イデア教の総本山。首都の中央には大聖堂があることからもわかるように、この国を仕切るのは首長ではなく大司教である。
闇ギルドの乱立、人体実験の研究所、凶悪な魔物の存在など、悪い噂が跋扈する異様な国でもある。